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2008.02.23 横浜美術館塾
横浜美術館塾
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横浜美術館で行われた「横浜美術館塾」。
SCHOOL OF DESIGN の面々(古平正義・平林奈緒美・水野学・山田英二)
による、面白くて為になる、“デザイン”を紐解くトークイベント。

今回、山田英二さんの話を聞くのは初めてだったのだが、
とても理論的で分かり易かった。

各々が過去の作品を自ら解説するくだりで、
ともすれば自らの自信作ばかりを紹介しがちなところを、
彼は5つの異なる事例を持ってきて、
“そのどれもがデザインの一側面である”ということを、
学生からプロに至る幅広い来場者に分かり易く解説していた。

そして司会進行役の水野学さん。

古平さん恒例の長い話(笑)には、いいタイミングで合いの手を入れ、
沈黙気味の平林・山田両氏には適宜話を振り、
空気が重くなってくると、自らの体験談で会場の笑いを誘うなど、
全体に気を配った進行がすばらしかった。

僕はこういったトークショーやエンターテイメントなどを観に行くと、
ソフト(内容)と同じぐらい、そのハード(構成や会場)が気になってしまう。

観客から貴重なお金と時間を取っておいて内容がつまらないものは論外だが、
ソフトが良くても、それを提供する方法や環境が悪いと
“損してるなぁ”と思ってしまう。

ライブでも、芝居でも、レストランでも、ホテルでも、飛行機でも、
そう思うことって本当に多い。

20年前、アメリカのユニバーサルスタジオに行ったとき、
あるショーを観るために席で開演を待っていたのだが、
その舞台上では開演までの間、客を退屈させないように、
サブのエンターテイナーがずっと客を楽しませていて、
それを観て“アメリカってスゴイ!”と思ってしまった。

発想の基本は“自分が客だったら”。

SCHOOL OF DESIGNの4名は、デザインだけでなく
こういったトークショーなどにおいても、
その辺りの客観性がとても優れていると思った。


最後に、今回のベストトーク。

“競合プレゼン、やる?やらない?”という話の中で平林奈緒美さんが、
“プレゼンだからと言う名目で、
 制作費が出ないのは馬鹿にしているとしか言いようがない”
と言っていたのが痛快だった。

僕もその通りだと思う。
競合プレだと、採用案件に対してのみ、
その後の実制作費用が支払われることが多いが、
アートディレクター達は、プレゼンの時点で既にあれこれ知恵を絞って
アイデアを出し、モノもほぼ完成させているのだから、
それに対する報酬が支払われないのはどう考えてもおかしい。

採用しなかったから支払わないというのは、
作らせておいて食べないハンバーグに料金を支払わないようなものだと、
彼らは冗談のように言っていたが、まさにその通りだ。

また“競合プレは断固受けない主義”の水野さんは、
“競合プレゼンは、企業側がADを信頼していないからやる訳で、
 そういう姿勢自体が疑問だし、そもそもデザインはADと企業との
 話し合いの中でベストアンサーを見つけていくことであって、
 いくつかある中から気に入った絵柄を選ぶようなことではない”
と言っていた。

これもその通りだと思う。

世の中に徐々にデザインが認知されてきたとはいえ、
まだまだ「デザイン=ただカッコイイものを作ること」だと思っている人や、
アートディレクターがどんな職業なのかよく分からない人が沢山いると思う。

僕たちの努力が足りない部分もあるが、
デザインを依頼する企業の人たちにこそ聞いて欲しいと思った、
充実のトークショーであった。
by tbm18363 | 2008-02-23 21:53 | SCHOOL OF DESIGN

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