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2009.06.01 GRAPHIC TRIAL 2009
GRAPHIC TRIAL 2009
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印刷博物館P&Pギャラリーで行われている
GRAPHIC TRIAL 2009のトークイベントへ。

GRAPHIC TRIALは、毎年4名ずつのクリエイターが
オフセット印刷という枠の中で、さまざまな印刷技術を駆使して作品を制作し、
印刷表現の可能性を探るという、凸版印刷による企画。

今年の参加クリエイターは、秋田寛さん、植原亮輔さん、
佐野研二郎さん、八木克人さんの4名。

早めに着いて一通り展示作品を見てから、
トークイベントに参加。

参加定員80名と聞いていたが、
会場はかなり広い。
開始と同時に照明が落とされ、
メモが取りづらい…。

最初にクリエイターと担当PD(プリンティングディレクター)が、
順に今回の作品のコンセプトを説明。

秋田さんは、18歳の時に魅せられたという「網点」で様々な実験。
植原さんは、印刷だけで質感をどこまで出せるかを追求。
佐野さんは、裏写りを利用して、ポスターに立体感を出すことにトライ。
八木さんは、岩や木や水といった自然物の質感の再現を追求した。

トライアルの方向性は4者4様だったが、
今回苦労した点についての話では、
異口同音に「目的のないポスターを作ることの難しさ」を挙げていた。

今回の4名は全員アートディレクターだったので、
それはもっともな回答。

美大生の頃は、“ポスター"と聞くだけで、
大きくてカッコイイビジュアルが作れる!と思ってワクワクしたが、
社会人になってデザイナーを生業として以来、
ポスターは本来、目的達成のための手段であって、
何かを表現するための純粋なアート作品ではない、
ということを嫌と言うほど聞かされてきたのだ。

“何でもいいからポスターをデザインして"と言われたら、
プロのアートディレクターであればあるほど迷ってしまうと思う。

また同時に印刷技術も、表現上の目的があって初めて
“じゃあどういう印刷技術を使おうか"という話になるのであって、
それ自体をテーマにされると、どうしていいか分からない。

そういう意味では、このGRAPHIC TRIALという企画自体どうなんだ、
という話になってしまうのだが…。

佐野さんは、
“普段は強さを出すためにモノクロとかを使って機能性を重視しているので、
今回自分の作品のとっかかりを掴むまで、かなり苦労した"
という主旨のことを言っていた。

さらに、
“実際、駅貼りポスターは1m以上離れて見るものだし、
額に入っているような場合もある。
印刷も、ネットで安くカラー出力できる時代であり、
自分も少部数ならカラー出力にする場合もある。
ただ、DMのように実際に手に取ってみるものについては、
モノとしての存在価値があるので、印刷技術の必要性は感じる。
ADC年鑑で見ても分からない実物のインパクトというものは
確かに存在するので、モノによって使い分けていけばいいのではないか"
と言っていた。

ホント、その通りだなと思った。

最近、「デザインの機能性」みたいなことをよく考えるので、
正直、印刷テクニックにスポットを当てる企画展って
自分的にピンと来ないなぁと思っていたのだが、何かスッキリした。
佐野さんありがとうございました。
(トークイベント後、挨拶をさせてもらったけど、
 そのことを伝えられなかったので、この場でお礼申し上げます)





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by tbm18363 | 2009-06-01 20:25 | 展覧会

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