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デザイナーなどのクリエイティヴ職に就く人にとっては勿論、
それ以外の職に就く人にとっても、「デッサン」の考え方は非常に役立つ。

「デッサン」で身につくスキルはいくつかある。

1.モノを正確に見ること。

モチーフとキャンバスに描いた絵を丹念に見比べて、形が違っていないか丁寧に確認する。
美術予備校などでデッサンを始めて、まずつまずくのはここである。

自分では合っていると思っていても、他人から見るとどこか違和感を感じる。
描いている本人は、どこが違うのか、中々気付けない。

石膏デッサンであれば、顔と身体のバランス、目の大きさ、鼻の長さ、
身体のボリューム、首の角度、肩の角度、腕の長さ、
全体の雰囲気(実物は穏やかな表情なのに、デッサンは妙に恐いなど)etc。
それらが少しでも狂っていてはいけない。これをデッサン用語で“形が違う"と言う。
美術予備校生達は、鉛筆を持った手を伸ばし、対象物に重ねて見て、その比率を細かくチェックする。
(それでも狂うのだが)

さらにキャンバス内におけるトリミングの善し悪し。
小さすぎ、大きすぎ、上に寄りすぎ、ムダな余白があるetc.

これら全てを丹念にチェックする。
近くで見る、席を離れて見る、キャンパスを天地逆さまにして見る。
先入観を捨てるように、何度も何度も客観的にチェックする。

それを繰り返していくうちに、対象物を見る目が、
そして自分の描いた絵を冷静に見る目が、養われていく。


2.強弱をつける

デッサンにおいて、細かく描き込む部分と、
敢えてザクッとラフなままにしておく部分のメリハリをつけることが大切だ。

全てを細かく描き込んでいくと、全体的にグレイッシュな絵になり、
遠くから見て迫力のないデッサンになる。
逆に全体的にザックリとした描き込みだと、近くで見た時に物足りなさを感じる。

黒々と描き込む所と、2〜3回しか手を入れないところ。
そのバランスによって、全体のバランスが取れた良いデッサンになる。
その見極めとさじ加減をマスターしなければならない。


3.時間感覚を身につける

制限時間の中で、どこまでを「形取り」に、どこまでを「描き込み」に、どこまでを「確認」に使うか、
自分で判断して配分するスキルが必要となる。

当然、最初の内は「形取り」すら上手くできないので、後半の描き込みや確認が足りなくなり、
見るも無惨なデッサンが出来上がる。(とはいえ、素人には上手く見えるレベルである)


これらのデッサンスキルを実際の仕事に応用すると、
課題を正確に見極めた上で、マクロとミクロ両方の視点を持って、
自分の仕事を客観的に眺めることができるので、“ハズす"事がない。

力を入れるべき所と抜いて良いところの見極めも出来、
時間配分も上手く行く。

勿論デッサンを学んだ者全てが、すぐにこのように出来る保証はないが、
デッサンを学ぶことで、そういう概念が頭の中に根付くことは間違いなく、
それはどんな仕事をするにしても(もしくは仕事以外でも)応用の効く大切なスキルである。

ぜひ、「デッサン」を必修科目に加えてほしい。
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