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2014.02.16 大雪の顛末
2月14日。

夜にかけて大雪の予報にもかかわらず、
金曜ということもあり、友人たちと飲むことになった。

事務所で少し飲んで、恵比寿横丁へ移動。
1時間ほど飲んで、さてもう1軒と思ったが、
あいにくお目当ての店が臨時休業。

いつもよりかなり早く22:30にお開き。

この時点でかなり雪が積もっていたので、スマホでJRの運行状況をチェック。
横須賀線が動いているとのことで、恵比寿から品川回りで帰ることに。

品川駅のホームに滑り込んできたガラガラの横須賀線に乗り込みホッと一息。
“この先、雪の影響で運転を見合わせる場合があります”とのアナウンスに一瞬不安がよぎるが、
ガラガラの席に腰を落ち着けてしまったのと、仮に時間がかかっても寝て帰れば問題ないかと思い、
そのまま発車を待つ。

数分後、電車は品川駅を出発。

少し走ったところで徐行〜停車。
前を行く車両が詰まっているとのこと。
まぁ、よくあることだ。

数分後に運転再開。

ここまでは想定内だったが、
その後も走っては止まりの繰り返し。
西大井〜武蔵小杉〜新川崎と、駅に着いても、その度に長時間の停車が続く。

結局、恵比寿から2時間かかって横浜駅に到着。
自宅へはここから更に3駅先の戸塚で地下鉄に乗り換えなければならない。

地下鉄の終電も迫っているので、先を急いでほしいのだが、
車内アナウンスによると、この先のポイント故障でしばらく運転見合わせとのこと。
東海道線に乗り換えるよう案内される。

他の乗客たちと共にゾロゾロと階段を下り、東海道線のホームへ移動。
停車中の東海道線に乗り込むと、そこそこ混んでいて席は空いていない。
まぁ、戸塚までなら全然問題ない。
網棚に荷物をあげて吊革に掴まったが、待てど暮らせど発車する気配がない。

アナウンスが流れる。
“大磯〜二宮間で、雪の影響でパンタグラフが上がらなくなった車両が2つあり、
これから作業員が向かって順次作業を行いますので、しばらく運転を見合わせます。”

おいおい、こっちもか。
家にメールを入れて、しばらく待つ。
しかし、30分経っても1時間経っても同じアナウンスが繰り返され、電車は動かない。

この時点で午前1時。

もう戸塚からの地下鉄はない。
戸塚からタクシーか、駅近くのカラオケBOXで夜を明かすか。

とりあえずtwitterで情報検索。

“戸塚駅、タクシー1台しか走ってない"とのツイートを発見。
タクシー案は消えた。

続いてカラオケBOXのサイトをチェック。
“若干の空きあり"とのことで、早速サイト上から予約を入れようとしたら、
“ご予約は4名様から承ります"の文字…。
これでカラオケBOX案も消滅。

戸塚にビジネスホテルは1軒だけ。
今日のような状況で空室があるかどうかは微妙なところ。
一か八かに掛けてダメだった時のリスクが大きすぎる。

であれば、ビジネスホテルやカラオケBOX、マンガ喫茶が何軒もあるであろう、ここ横浜で降りた方が賢明だ。
1時間待ったあげく結局電車を降りるのは悔しかったが、改札を抜けて、大雪の横浜駅西口へ出た。

スマホで「横浜駅 ビジネスホテル」を検索し、上から順に電話していく。
4軒続けて満室。
5軒目は、やけに昭和な名前のホテルで、恐らく古宿だろうが、構わず電話してみる。
長めのコールの後に出た電話口の声はおじいさん。
「ウチはいっぱいだけど、隣接してるホテルなら空いてますよ。6500円。」とのこと。

一も二もなく予約する。

名前を告げた後、ホテルの場所を聞くも、老人の聞き取りにくい声と土地勘の弱さが相まって、
はっきりと分からない。
詳細に電話でやりとりする気力もなく、Google mapに頼ることにして電話を切った。

横浜駅を後にし、吹雪の中、宿へ向かう。
人はほとんど歩いていない。
雪国のような新雪の道を、Google mapを頼りに進む。

7〜8分歩いて、目的地に到着。
予想通りの古い建物。

小さなフロントには先ほど電話に出たおじいさん。
6500円支払い、部屋の鍵と、なぜかテレビとエアコンのリモコンを手渡される。
小さなエレベーターで5階へ。

183cmの自分がギリギリくぐれるぐらいの鉄製のドアを開けて部屋に入ると、
80年代にタイムスリップしたかのような内装。

思わず写真を1枚撮ったところで、ケータイの電池が切れた。
横浜駅で降りたことをまだ家族に連絡していなかったのに…。

部屋を見渡すと、安っぽいテーブルと無駄に大きい革張りのソファ。
14インチのアナログテレビは映りが悪く、リモコンが効かない。
エアコンはあるが、冷蔵庫やポットは無い。

奥にあるベッドには掛け布団が1枚だけ。
この時期に綿布団1枚…?

それにしてもベッドはやけに大きいな…。
と思い、枕元を見てやっと気がついた。

ここはラブホテルだった。
いや、むしろ連れ込み宿と言うべきか。

ま、今この状況でラブホテルだろうと何だろうと
ベッドで寝られるだけましか。
とりあえず内風呂が付いているので、
暖まってすぐ寝よう。

洗面所と一緒になったタイル貼りの風呂場。
電気のスイッチを入れてから蛍光灯が付くまで5秒ほどかかる。

昔ながらの細い水道管の蛇口をひねって浴槽にお湯を溜める。
水色の浴槽に溜まっていくお湯は、うっすら茶色い。

それでも構わない。
冷え切った身体を湯船に沈めて暖をとり、
薄いバスタオルで身体を拭いてベッドに潜り込んだ。

綿布団1枚なので、エアコンを付けっぱなしにして寝ることにする。
しかし、このエアコンの効きが悪い。

一番上の「30度・強風」にしてようやく暖くなってきたが、
音が異常に大きい。

風量を下げると音は下がるが、室温も下がる。
結局「30度・強風」に戻し、身体を横に向けて眠ろうとしたが、
あまりの音に熟睡できず、うつらうつらしたまま朝を迎えた。

時計を見ると午前9時。
映りの悪いテレビで羽生選手の金メダルを知り、
JRが動いていることを確認して、
悪夢のような宿を後にした。

恵比寿を出て12時間後、ようやく辿り着いた我が家。
玄関へ走ってきた息子の頭を撫でた後、眠り慣れた快適なベッドへ潜り込み、
そのまま夕方まで眠り続けた。

教訓:
大雪の日は、早めに家に帰りましょう。