2007.08.31
上等
仲條正義氏の講義にて。
仲條正義氏は、東京芸大から資生堂宣伝部を経て
自分の事務所を設立し現在に至るという、
当時の王道を歩んでこられた方。
70歳を過ぎた現在も、資生堂のTHE GINZAや、
雑誌『花椿』のアートディレクションを担当。
(手書きの指定紙で版下入稿されている)
仲條さんの話を聞いて思ったことは、
“感覚”をとても大切にしているということ。
アートディレクターは、アイデアやコンセプトを
言語化して相手に伝えることが出来なければいけないと、
多くのアートディレクターが言っているが、
仲條さんは自分の作品について語る際、
論理的な言葉をほとんど使わない。
作品のスライドを見せながら、
“最初こんな感じにしようと思ったんだけど、作ったらなんかイマイチだったから、
ちょっと~してみたら、結構いい感じになってさぁ。で、こうなったのよ。”
“これは昔の作品だけど、今見ると何かこう良くねぇんだよなぁ”
などと、噺家のように説明する。
すごいのかすごくないのか分からなくなってくる。
(因みに受賞歴は数知れない)
理屈の通った綺麗なデザインはとうの昔にやり終え、
一周してこういう境地に辿り着いたのだろうか。
技法などの表面的なことよりも、
作品から滲み出る、品のようなものを大切にしている。
そしてそういうもののことを“上等”と呼んでいた。
“文字組なんかも時間をかけてちゃんとやると上等になるんだよ”
“あのデザインはやたら見かけるけど、あんまり上等じゃねぇなぁ”
仲條さんの言う、この“上等”という言葉の響きが、
僕はとても気に入ってしまった。
仲條さんは所謂マジメなタイプではないが、
その人柄は上等な感じがすごくする。
綺麗事や偉そうなことは言わないし、
生徒たちを見下すようなこともしない。
というか本気で“自分なんか君らと大して変わらない”と
思っていそうな節がある。
まさに実るほど頭を垂れる稲穂だ。
上等なものは、上等な人にしか作れない気がする。
上等な作品を作るには、まず人間自身が上等になる必要がある。
下等は簡単だが、上等は難しい。
上等なふりをしている人はたくさんいるが、
本当に上等な人は少ない。
本当に上等な人になるためには、
下等な自分を認める勇気が必要な気がする。
さぁ、自分に出来るか。
仲條正義氏は、東京芸大から資生堂宣伝部を経て
自分の事務所を設立し現在に至るという、
当時の王道を歩んでこられた方。
70歳を過ぎた現在も、資生堂のTHE GINZAや、
雑誌『花椿』のアートディレクションを担当。
(手書きの指定紙で版下入稿されている)
仲條さんの話を聞いて思ったことは、
“感覚”をとても大切にしているということ。
アートディレクターは、アイデアやコンセプトを
言語化して相手に伝えることが出来なければいけないと、
多くのアートディレクターが言っているが、
仲條さんは自分の作品について語る際、
論理的な言葉をほとんど使わない。
作品のスライドを見せながら、
“最初こんな感じにしようと思ったんだけど、作ったらなんかイマイチだったから、
ちょっと~してみたら、結構いい感じになってさぁ。で、こうなったのよ。”
“これは昔の作品だけど、今見ると何かこう良くねぇんだよなぁ”
などと、噺家のように説明する。
すごいのかすごくないのか分からなくなってくる。
(因みに受賞歴は数知れない)
理屈の通った綺麗なデザインはとうの昔にやり終え、
一周してこういう境地に辿り着いたのだろうか。
技法などの表面的なことよりも、
作品から滲み出る、品のようなものを大切にしている。
そしてそういうもののことを“上等”と呼んでいた。
“文字組なんかも時間をかけてちゃんとやると上等になるんだよ”
“あのデザインはやたら見かけるけど、あんまり上等じゃねぇなぁ”
仲條さんの言う、この“上等”という言葉の響きが、
僕はとても気に入ってしまった。
仲條さんは所謂マジメなタイプではないが、
その人柄は上等な感じがすごくする。
綺麗事や偉そうなことは言わないし、
生徒たちを見下すようなこともしない。
というか本気で“自分なんか君らと大して変わらない”と
思っていそうな節がある。
まさに実るほど頭を垂れる稲穂だ。
上等なものは、上等な人にしか作れない気がする。
上等な作品を作るには、まず人間自身が上等になる必要がある。
下等は簡単だが、上等は難しい。
上等なふりをしている人はたくさんいるが、
本当に上等な人は少ない。
本当に上等な人になるためには、
下等な自分を認める勇気が必要な気がする。
さぁ、自分に出来るか。
by tbm18363 | 2007-08-31 00:49 | 仲條正義
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