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快進撃を続けるユニクロの、外部および内部スタッフ達が、
どのような思考に基づいて仕事をしているのかについて書かれた本。

佐藤可士和、中村勇吾、タナカノリユキなど、
23人のスタッフへのインタビューが掲載されている。

内部スタッフは外資系からの転職組も多く、
才能ある人達が集まって、生き生きと仕事をしている様子が窺える。

この中で面白いのは、
店舗開発デザイン担当の渡辺有紀さん。

「超合理性」というキーワードで
一気通貫されていると思っていたユニクロだが、
渡辺さんの考え方はちょっと違う。

“男の会社だなあと思った"
“ファッションについて本質的にはあまり興味がないんじゃないかって。(笑)
「商品は部品です」なんて言うし。"

ユニクロのコンセプト自体を否定するこの発言。笑

しかも自分と同い年の1973年生まれ。
しかも向日葵のような笑顔の美人。(関係ない)

こういう人が店舗開発のトップを任されているところが、
ユニクロの奥深さだなぁと感じずにはいられない。


同時発売の「成功は一日で捨て去れ」は、
柳井社長の経営論。

この中で興味深かったのは、
ユニクロが目指す服は、最大公約数的な服ではなく、
これまでになかった付加価値を備えた服である、ということ。

僕は完全に前者だと思っていたので。

柳井さんの熱さと若さに圧倒される一冊。

「ユニクロ思考術」と併せて読むと、
トップ(=理想)と現場スタッフ(=現実)の
比較が出来て面白かった。


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『アートディレクションの黄金比』
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少し前に誠文堂新光社から出版されたこの本、
本屋のデザインコーナーで結構目立っていたので読んでみた。

アートディレクター達の生い立ちと
デザイン論について書かれている。

個人的には、生い立ちにはあまり興味がない。

生い立ちを探ることで成功した要因を探ろうとするのは、
あくまで結果論に過ぎない気がするから。

まぁ、そこまで深く考えることでも
ないのかもしれないけれど。


掲載ADは計9名。
植原亮輔、佐藤可士和、佐野研二郎、水野学、米村浩、
佐藤直樹、中島英樹、藤本やすし、タナカノリユキの各氏。

この中で僕が面白かったのは、佐藤直樹さん。

今、世の中で何となく良しとされているデザイン論に
疑問を投げかけている。

例えば、デザインは情緒的なことよりも、
伝わるスピード感や効率が大切だという考え方がある。

しかし佐藤さんは、効率ばかり優先すると、
例えばオリジナルのフォントにこだわる理由はなくなるし、
人は何を良しとして、何を良しとしないのか、
その根本的なところが抜け落ちてしまうと言う。

また、力強くシンプルに伝えることが
デザインの醍醐味だという考え方に対して。

世の中にはいろんな人がいて、
それぞれが全然違うところを見ている。
そうするとシンプルなデザインが、
暴力的な押しつけになる可能性だってある、と言う。

ほかにも、
アートディレクターが、困っているクライアントに対して、
即効性のある処方箋を与えるという考え方は違うと思う、とか、

アートディレクションはあくまでアートディレクションで、
マーケティングやコンサルティングではない、とか。

特定の誰かに対して言っているわけではないと思うけれど、
何となく“ADってこういうこと?”という、
業界に蔓延する安易なロジックみたいなものに
ブスッと釘を刺していて、さすがは佐藤直樹さんという感じ。
これは単なるアンチではないと思う。

「売上が上がる」、「効率的に伝わる」。
そういったことばかり目指していると、
貧しくなってしまうのではないか、という佐藤さんの言葉に、
ドキッとしつつ、深く考えさせられたのであった。


ちなみにこの本、
『アートディレクションの黄金比』というタイトルだけど、
具体的な方程式やノウハウみたいなものについては、
あまり書かれていません。

あくまで各氏が考える総体的なデザイン論。

まぁ、当然と言えば当然だけど。




『コピーライターの発想』
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1984年に出版された、
名コピーライター、土屋耕一さんの著書。

タイトル通り、発想法にフォーカスした内容。

コピーライターがいかにして良いコピーを生み出すかについて、
いろいろな角度から軽妙洒脱な文体で語られている。

話はコピーにとどまらず、広告制作の場全体に及んでいて、
クリエイティブの現場にいる人間なら誰しも頷いてしまうような
「あるあるネタ」のオンパレード。

しかもそれが全然安直な感じがしないのは、
やはり土屋さんならではの鋭い視点と、
まるで落語を聞いているかのような、
リズム感があって心地よい、名人芸のような文章によるものだろう。

さもご自分が凡人であるかのように見せて、
あちこちに話を脱線させながら、
モノ作りの本質に鋭く迫っているところが、
土屋さんの巧さであり、やさしさであり、
つまり人間としての魅力だと思う。

「たった一振りのバットで逆転の本塁打をかっとばしてみせる、
 などという打者の姿勢が、基本的には邪道であるのと同じように、
 また、たった一発のアッパーカットで相手をマットに沈めてしまおうとする、
 そんな大ぶりな攻撃法が、これまたボクシングにおいて邪道とされているのと同じで、
 ひらめきという技法もまた、発想法における邪道の構えではないのかなあ、
 なんて思うことがある。(中略)
 
 それは積立貯金のやり方に似ている。コツコツである。地道である。(中略)

 でも、それしかないんだよ、きっと。
 人の見てないところで、玉のような汗を流して、
 でも、人の前に出たときは、なにか、軽い手さばきで苦もなく一丁出来上がり、
 のような顔をして見せる。ははは、なんて笑いながら。(中略)

 結局、それしかないんだ、と思う。自分が大天才じゃない限りはね。」




by tbm18363 | 2009-10-16 01:56 | 書籍

『デザインするな』~DRAFT代表 宮田識~
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570ページもある分厚い本。

毎年のようにJAGDA新人賞受賞者を排出している
日本グラフィックデザイン界の母校、DRAFT。
(学校ではありません。念のため)

日高英輝さん、水野学さん、柿木原政弘さんなど、
今をときめく一流アートディレクターたちも、DRAFT出身。

その代表、宮田識さんの考え方と仕事をまとめた、
デザインジャーナリスト藤崎圭一郎さんによる本。

とても分厚い本だが、文字が大きく、
後ろ半分は作品なので、サクッと読めてしまう。

で、昨日はその記念トークショーに行ってきた。

内容は、また後日。


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by tbm18363 | 2009-04-06 01:46 | 書籍