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2017.07.23
ADC展
銀座で開催中のADC展へ。
今年のグランプリは「INDUSTRIAL JP」のウェブサイトと映像。
部品や機械を作る製造工程を、かっこいい映像と音楽に乗せて紹介するサイトで、
全体的にクールな作りなのだが、
映像の最後に登場する工場のおじさんが、
「これ撮って何かなるんかね…?」と言う素のコメントに思わず笑ってしまった。
このクライアントが中小工場連合会だったかな、
いわゆる部品なんかを作っている町工場6社が集まったという、何とも地味な団体で、
個人的には、このクライアントこそがグランプリ獲得に一役買ったのではないかと思った。
小さな町工場が集まり、お金を出し合って、このようなクールなブランディングをした事が、
川下では依然として厳しい景気を回復させようとする、
ひいては日本の中小企業に元気を与えようとする熱い意気込みに感じられ、
大企業がお金をかけて作った広告とは違う良さが、滲み出ていた。
こういう広告がもっと増えると良いと思う。
ADC展は毎回、一般作品と会員作品と、会場を別にして展示されるのだが、
最近よく思うのは、現実の仕事の参考になるのは一般作品ばかり。
会員作品は、巨匠達の伝統芸のアート展覧会のようで、
キャプションを見なくても誰の作品か一目瞭然。
コンセプトもビジュアルも技術もでぶっ飛びすぎていて、
今日明日の仕事の参考にはあまりならない。笑
巨匠同士が、お互いの作品を鑑賞し合うサロンのような雰囲気。
ADCはサロンだと言われるが、まさにその通りである。



今年のグランプリは「INDUSTRIAL JP」のウェブサイトと映像。
部品や機械を作る製造工程を、かっこいい映像と音楽に乗せて紹介するサイトで、
全体的にクールな作りなのだが、
映像の最後に登場する工場のおじさんが、
「これ撮って何かなるんかね…?」と言う素のコメントに思わず笑ってしまった。
このクライアントが中小工場連合会だったかな、
いわゆる部品なんかを作っている町工場6社が集まったという、何とも地味な団体で、
個人的には、このクライアントこそがグランプリ獲得に一役買ったのではないかと思った。
小さな町工場が集まり、お金を出し合って、このようなクールなブランディングをした事が、
川下では依然として厳しい景気を回復させようとする、
ひいては日本の中小企業に元気を与えようとする熱い意気込みに感じられ、
大企業がお金をかけて作った広告とは違う良さが、滲み出ていた。
こういう広告がもっと増えると良いと思う。
ADC展は毎回、一般作品と会員作品と、会場を別にして展示されるのだが、
最近よく思うのは、現実の仕事の参考になるのは一般作品ばかり。
会員作品は、巨匠達の伝統芸のアート展覧会のようで、
キャプションを見なくても誰の作品か一目瞭然。
コンセプトもビジュアルも技術もでぶっ飛びすぎていて、
今日明日の仕事の参考にはあまりならない。笑
巨匠同士が、お互いの作品を鑑賞し合うサロンのような雰囲気。
ADCはサロンだと言われるが、まさにその通りである。



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2008.08.01
2008ADC展
毎年恒例、銀座で今日まで開催されていた
2008ADC展へ滑り込んだ。
今年のグランプリは井上嗣也氏の作品集、
「Inoue Tsuguya Graphic Works」。
井上嗣也氏の名前は、多摩美の学生だった頃に知った。
カッコイイ写真とカッコイイ文字。
今にして思えば、それは篠山紀信の写真であったり、
Helveticaであったりしたのだが、当時はただ漠然と
“カッコイイなぁ"と思うばかりであった。
この作品集、以前佐野研二郎さんにお会いしたときに、
“井上嗣也の作品集買った? ヤバイよ、あれ!"と、
興奮気味に話されていたのを思い出す。
佐野さんが言うなら買っておかないと、と思いつつ、
¥9,975という値段と、けっこうな重さに、
本屋で見かけてもつい後回しにしてしまっていた。
果たして佐野さんの審美眼の通り、
その作品集が見事に今年のADCグランプリを獲得。
数多ある広告を差し置いて、1冊の本がADCグランプリに輝くのは
これが初めてではないだろうか?
そして佐野さんのレコメンドを受けながらも、
まだ購入していない自分のふがいなさ。
今度こそ買わねばと胸に誓った、帰り道であった。


2008ADC展へ滑り込んだ。
今年のグランプリは井上嗣也氏の作品集、
「Inoue Tsuguya Graphic Works」。
井上嗣也氏の名前は、多摩美の学生だった頃に知った。
カッコイイ写真とカッコイイ文字。
今にして思えば、それは篠山紀信の写真であったり、
Helveticaであったりしたのだが、当時はただ漠然と
“カッコイイなぁ"と思うばかりであった。
この作品集、以前佐野研二郎さんにお会いしたときに、
“井上嗣也の作品集買った? ヤバイよ、あれ!"と、
興奮気味に話されていたのを思い出す。
佐野さんが言うなら買っておかないと、と思いつつ、
¥9,975という値段と、けっこうな重さに、
本屋で見かけてもつい後回しにしてしまっていた。
果たして佐野さんの審美眼の通り、
その作品集が見事に今年のADCグランプリを獲得。
数多ある広告を差し置いて、1冊の本がADCグランプリに輝くのは
これが初めてではないだろうか?
そして佐野さんのレコメンドを受けながらも、
まだ購入していない自分のふがいなさ。
今度こそ買わねばと胸に誓った、帰り道であった。


by tbm18363 | 2008-08-01 22:29 | ADC
2008.02.13
ニューヨークADC展
冷たい雨の中、クリエーションギャラリーG8へ。
世界中から集まった受賞作品の中、
見覚えのある日本の作品もいくつか。
そんな中、目を引いたのが、
佐藤雅彦+ユーフラテスによる、
ISSEI MIYAKE「A-POC INSIDE」のアニメーション。
会場ではゆっくり見られなかったので、
WEBで改めて見て再認識、
“これ、完璧”
彼らは、ピタゴラスイッチで『フレーミー』などを手がけていて、
あれも相当すばらしいと思っていたのだが、
あのアイデアと技術を研ぎ澄ますとこうなるんだろうという、
ひとつの最終形のような作品。
黒バックに白い文字が躍るだけのシンプルな映像ながら、
想像力が大いに掻きたてられ、見ていて飽きず、
バックに流れる音楽もとてもクール。
作品だけ見ると日本人が作ったとは思えないけれど、
佐藤雅彦と言われれば、なるほど!と思える。
--
その他の作品を見て思ったこと。
日本の受賞作品は手が込んでいて仕上がりが美しい。
対して(とくに)アメリカの作品は、
ジャーナリズムとユーモアに溢れたものが多い。
もちろん完成度も高いのだが、
日本の作品にある“品”や“繊細さ”のようなものより、
そこにどれだけ強いメッセージを込められるか、
というところに力を注いでいる気がする。
一目見て意味が分かって、そのコンセプトが
他人にも簡単に言葉で説明できそうなのがアメリカ。
作品から心地よい雰囲気が漂ってきて、
言葉にしづらい情緒のようなものを感じさせるのが日本。
どちらが機能的かと言えば前者なのだろうが、
どちらが好きかと聞かれれば後者だったりする。
あぁ、日本人。
※佐藤雅彦氏のアニメは、リンク先の左上menuからプルダウン、
A-POC INSIDEのAnimationをクリックで見られます。
世界中から集まった受賞作品の中、
見覚えのある日本の作品もいくつか。
そんな中、目を引いたのが、
佐藤雅彦+ユーフラテスによる、
ISSEI MIYAKE「A-POC INSIDE」のアニメーション。
会場ではゆっくり見られなかったので、
WEBで改めて見て再認識、
“これ、完璧”
彼らは、ピタゴラスイッチで『フレーミー』などを手がけていて、
あれも相当すばらしいと思っていたのだが、
あのアイデアと技術を研ぎ澄ますとこうなるんだろうという、
ひとつの最終形のような作品。
黒バックに白い文字が躍るだけのシンプルな映像ながら、
想像力が大いに掻きたてられ、見ていて飽きず、
バックに流れる音楽もとてもクール。
作品だけ見ると日本人が作ったとは思えないけれど、
佐藤雅彦と言われれば、なるほど!と思える。
--
その他の作品を見て思ったこと。
日本の受賞作品は手が込んでいて仕上がりが美しい。
対して(とくに)アメリカの作品は、
ジャーナリズムとユーモアに溢れたものが多い。
もちろん完成度も高いのだが、
日本の作品にある“品”や“繊細さ”のようなものより、
そこにどれだけ強いメッセージを込められるか、
というところに力を注いでいる気がする。
一目見て意味が分かって、そのコンセプトが
他人にも簡単に言葉で説明できそうなのがアメリカ。
作品から心地よい雰囲気が漂ってきて、
言葉にしづらい情緒のようなものを感じさせるのが日本。
どちらが機能的かと言えば前者なのだろうが、
どちらが好きかと聞かれれば後者だったりする。
あぁ、日本人。
※佐藤雅彦氏のアニメは、リンク先の左上menuからプルダウン、
A-POC INSIDEのAnimationをクリックで見られます。
by tbm18363 | 2008-02-13 02:56 | ADC
2007.10.31
ADC大学
東京ADC(アートディレクターズクラブ)が主催する、
ADC所属のアートディレクターたちによるトークセッション。
六本木にある国立新美術館にておこなわれた。
2日間にわたって、2時間半のセッションが計6回。
僕はそのうちの4回に参加。
ちなみに僕が参加した回のメンバーは、
○永井一史・葛西薫・宮田識
○中島信也・大貫卓也・佐々木宏
○佐藤可士和・原研哉・佐藤卓
○佐野研二郎・副田高行・浅葉克己
うーん、すごい顔ぶれ。
ちなみに会場には細谷巌氏や永井一正氏の姿も。
トークセッションの内容を書き出すと長くなるので、
内容とはあまり関係なく、個人的に印象的だったことを。
・永井一史氏の声が印象と違った。アイドルっぽい声だった。
・大貫卓也氏は話すことに夢中でマイクを持つのを度々忘れていた。
後方の人は辛かったことだろう。ちゃんと会場係が留意すべきでは。
・佐藤・原・佐藤の回を最前列で拝聴出来た。
・そのセッションの前に佐藤可士和氏とトイレで遭遇。
・可士和氏の奥様は、流行りのヒョウ柄バッグを持っていた。
・原研哉氏の黒いジャケットがとても変わっていて、
エスキモー柄のニットとの切り返しデザイン。
ギャルソンのものだろうか。(全くの推測)
・佐藤可士和氏の履いていた白のエナメルのサイドゴアブーツが
かっこいいなぁと思っていたら、ちらっと底が見えて
プラダスポーツの物と判明。
・佐藤卓氏が原研哉氏より年上と知り、ビックリ。
・原研哉氏の着眼点、物の見方は非常に面白く、
その鋭さ、深さはデザイナーの域を凌駕している。
・浅葉克己氏は個人的な話に終始した。
このようなトークセッションには向かない。
各回200~300名程度の聴衆で、
熱心にメモを取る人も多かったが、
佐野研二郎氏も指摘していたように、
片っ端から何でもかんでもメモを取るというのは、
どこか滑稽というか、違和感を覚えた。
せっかくライブで話を聞きに来ているのだから、
話している人の表情やしぐさを見ながら、
トークしている場の空気を感じることが先だと思うのだが。
あと、これは自分にも言えることだが、
セミナーと言われるとついメモを取りたくなる。
しかし、何もセミナーに限らず、メモを取るべき大事なことは
日常の至る所に転がっている。
テレビを見ながらメモを取ったっていいし、
友達と話していたって、大事だと思ったらメモを取ればいい。
“セミナー=メモ”という先入観は
捨てた方が良いのかもしれないと思った。

ADC所属のアートディレクターたちによるトークセッション。
六本木にある国立新美術館にておこなわれた。
2日間にわたって、2時間半のセッションが計6回。
僕はそのうちの4回に参加。
ちなみに僕が参加した回のメンバーは、
○永井一史・葛西薫・宮田識
○中島信也・大貫卓也・佐々木宏
○佐藤可士和・原研哉・佐藤卓
○佐野研二郎・副田高行・浅葉克己
うーん、すごい顔ぶれ。
ちなみに会場には細谷巌氏や永井一正氏の姿も。
トークセッションの内容を書き出すと長くなるので、
内容とはあまり関係なく、個人的に印象的だったことを。
・永井一史氏の声が印象と違った。アイドルっぽい声だった。
・大貫卓也氏は話すことに夢中でマイクを持つのを度々忘れていた。
後方の人は辛かったことだろう。ちゃんと会場係が留意すべきでは。
・佐藤・原・佐藤の回を最前列で拝聴出来た。
・そのセッションの前に佐藤可士和氏とトイレで遭遇。
・可士和氏の奥様は、流行りのヒョウ柄バッグを持っていた。
・原研哉氏の黒いジャケットがとても変わっていて、
エスキモー柄のニットとの切り返しデザイン。
ギャルソンのものだろうか。(全くの推測)
・佐藤可士和氏の履いていた白のエナメルのサイドゴアブーツが
かっこいいなぁと思っていたら、ちらっと底が見えて
プラダスポーツの物と判明。
・佐藤卓氏が原研哉氏より年上と知り、ビックリ。
・原研哉氏の着眼点、物の見方は非常に面白く、
その鋭さ、深さはデザイナーの域を凌駕している。
・浅葉克己氏は個人的な話に終始した。
このようなトークセッションには向かない。
各回200~300名程度の聴衆で、
熱心にメモを取る人も多かったが、
佐野研二郎氏も指摘していたように、
片っ端から何でもかんでもメモを取るというのは、
どこか滑稽というか、違和感を覚えた。
せっかくライブで話を聞きに来ているのだから、
話している人の表情やしぐさを見ながら、
トークしている場の空気を感じることが先だと思うのだが。
あと、これは自分にも言えることだが、
セミナーと言われるとついメモを取りたくなる。
しかし、何もセミナーに限らず、メモを取るべき大事なことは
日常の至る所に転がっている。
テレビを見ながらメモを取ったっていいし、
友達と話していたって、大事だと思ったらメモを取ればいい。
“セミナー=メモ”という先入観は
捨てた方が良いのかもしれないと思った。

by tbm18363 | 2007-10-31 22:46 | ADC
2007.07.05
2007 ADC展
銀座のgggとG8で行われている
ADC展に行ってきました。
今年のグランプリはSoftBank。
キャメロン・ディアスやブラピが歩いてるアレです。
CMとしての受賞ではなく、CI(コーポレートアイデンティティ)と環境空間(店舗などのデザイン)を含めての受賞とのことです。
AD(アートディレクター)は大貫卓也さん。
グランプリはもう何回目でしょうか。
サヴィニャックのとしまえん、hungryのカップヌードル、
他にもあったかな。とにかく3~4回目のグランプリ。
もう殿堂入りですね。
以前は『プール冷えてます』や『Laforet』などユーモアのある作風で
とくに若い世代の注目を集める広告が多かったと思うのですが、
ここ数年は面白い広告を作る以前に“いかに機能させるか"“いかにしたら売れるか"
ということを徹底的に追求されているようです。
クライアントも日清食品、ペプシ、資生堂、ソフトバンクなど大企業ばかりで、
こんなにメジャーな企業ばかりを相手にこれだけ精度と質の高い広告を作れるのは
大貫さんを置いて他にいません。
新卒の頃、大貫さんの事務所を受けたことがありますが、
今思うとメチャクチャしょぼい自分の作品ファイルを目の前で見てもらったことが、
汚点であり、良い記念です。
ADC展のことに話を戻すと、
自分のようなグラフィック出身者としては、かつてのサイトウマコトさんのBATSUや、
永井一正さんのLIFEのように、ズバッとカッコイイポスターが、
それ単独でグランプリを獲るととても印象に残るのですが、
CFなどがグランプリだと、どことなくテンションが下がります。
最近はADの関わる範囲が広がってきていることもあり、
グラフィックだけでグランプリを獲るというのは難しいのかもしれませんが。
今回“これすごい好き!"っていうのはあまり無かったのですが、
今更ながら秋山晶さんのコピーは洒落ていてカッコイイなぁと思いました。
以前銀座ですれ違ったことがありますが、すごく銀座が似合ってて。
あんなカッコイイおじいさん(失礼)になりたいです。
ADC展に行ってきました。
今年のグランプリはSoftBank。
キャメロン・ディアスやブラピが歩いてるアレです。
CMとしての受賞ではなく、CI(コーポレートアイデンティティ)と環境空間(店舗などのデザイン)を含めての受賞とのことです。
AD(アートディレクター)は大貫卓也さん。
グランプリはもう何回目でしょうか。
サヴィニャックのとしまえん、hungryのカップヌードル、
他にもあったかな。とにかく3~4回目のグランプリ。
もう殿堂入りですね。
以前は『プール冷えてます』や『Laforet』などユーモアのある作風で
とくに若い世代の注目を集める広告が多かったと思うのですが、
ここ数年は面白い広告を作る以前に“いかに機能させるか"“いかにしたら売れるか"
ということを徹底的に追求されているようです。
クライアントも日清食品、ペプシ、資生堂、ソフトバンクなど大企業ばかりで、
こんなにメジャーな企業ばかりを相手にこれだけ精度と質の高い広告を作れるのは
大貫さんを置いて他にいません。
新卒の頃、大貫さんの事務所を受けたことがありますが、
今思うとメチャクチャしょぼい自分の作品ファイルを目の前で見てもらったことが、
汚点であり、良い記念です。
ADC展のことに話を戻すと、
自分のようなグラフィック出身者としては、かつてのサイトウマコトさんのBATSUや、
永井一正さんのLIFEのように、ズバッとカッコイイポスターが、
それ単独でグランプリを獲るととても印象に残るのですが、
CFなどがグランプリだと、どことなくテンションが下がります。
最近はADの関わる範囲が広がってきていることもあり、
グラフィックだけでグランプリを獲るというのは難しいのかもしれませんが。
今回“これすごい好き!"っていうのはあまり無かったのですが、
今更ながら秋山晶さんのコピーは洒落ていてカッコイイなぁと思いました。
以前銀座ですれ違ったことがありますが、すごく銀座が似合ってて。
あんなカッコイイおじいさん(失礼)になりたいです。
by tbm18363 | 2007-07-05 14:27 | ADC
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